空き家の管理は、多くの場合、持ち主か家族がしています。国土交通省の令和6年の調査では、持ち主か親族が管理している空き家が約9割でした。管理の困りごとで一番多かったのは「管理の作業が大変」で、約32%の世帯が挙げています。
行っても何から見ればいいか分からないと、1回ごとの手間が増えます。この記事は、国土交通省の「空き家管理チェックリスト」の項目を、1回の訪問で回る順番に並べ直したものです。順番のあとに、持っていくと楽な物、見る所の一覧、冬の前に足すこと、毎月の記録の残し方も載せています。
回る順番は、この7つです
- 家に入る前に、外から見る。建物の傾き、屋根、外壁、窓を見ます。チェックリストには「不法侵入につながるような窓の破損はありませんか」という項目があります。外を先に見ておくと、窓の割れなどに、家に入る前に気づけます。
- 中に入ったら、まず窓を開ける。チェックリストの最初に挙がっている「通気や換気」です。先に開けておけば、空気を入れ替えている間に、ほかの所を見て回れます。アキヤムスブの管理でも、空気を入れ替える間に、清掃と建物の状態確認をしています。
- 部屋の中を見る。柱やはりの傷みと、雨漏りの跡を見ます。
- 水まわりを見る。排水口から悪臭が上がっていないかを見ます。チェックリストは、排水設備の「封水切れ」による悪臭を挙げ、「封水の注入を行いましょう」としています。水道を開けている家は、台所・洗面・浴室・トイレの水を流します。水道を止めている家は水を流せないので、蛇口と排水口を目で確かめます。水道を止めるかどうかは、空き家の水道、止める?開けておく?にまとめています。
- 簡単な掃除をして、ポストを片づける。チェックリストの「郵便物等の確認・整理」です。家中を毎回掃除しようとすると、1回では終わらないこともあります。今月はこの部屋、と範囲を決めて順番に回すと、続けやすくなります。
- 敷地を回る。ごみが散らかっていないか、門や塀・擁壁に傾きやひび割れがないか、庭木の枝が道や隣の家にはみ出していないか、動物が棲みついた跡がないかを見ます。
- 窓を閉めて鍵をかけ、写真を撮って帰る。同じ場所を毎月同じ向きで撮っておくと、前の月の写真と比べて、変わった所に気づけます。冬の間は、チェックリストが挙げている「給水管の元栓の閉栓」もここでします。お隣には一声かけて、連絡先を伝えておきましょう。門真市は「何か異常があった場合に近隣の人とすぐに連絡をとれるようにしておくことも大切です」と書いています。
持っていくと楽な物
- スマートフォン:写真を撮ります。最後の戸締まりのあとにも使います。
- ごみ袋と軍手:ポストにたまったチラシや、敷地のごみをその場で片づけられます。
- 水を入れたペットボトル:水道を止めている家で、排水口からにおいがするときに使います。水道を止めている家では、持っていった水で封水を補う方法があります(チェックリストの「封水の注入」を、水が出ない家でするための、この記事からの提案です)。
- 懐中電灯:電気を止めている家で、押し入れや床下の点検口の中を照らして見ます。
見る所の一覧
国土交通省のチェックリストにある10の項目を、場所ごとに並べました。右の列は、チェックリストに書かれている管理方法そのままです。
外から見る所
- 建物全体の傾き・屋根の形の変わり方 → 柱、はりの補修や防腐処理などを依頼しましょう。
- 外壁などのはがれ・破損・汚れ、窓の破損 → はがれた部材などは撤去、補修などを依頼しましょう。
- 屋根材のはがれや破損、軒の脱落・傾き → はがれた部材などは撤去、補修や防錆処理などを依頼しましょう。
中で見る所
- 柱・はりの破損や腐り、雨漏りの跡 → 柱、はりの補修や防腐処理などを依頼しましょう。
- アスベストが出ていないか → アスベストの除去などを専門業者に相談しましょう。
- 浄化槽の破損や、排水設備の封水切れによる悪臭 → 破損部分は補修を依頼し、封水の注入を行いましょう。
敷地で見る所
- ごみの散らかり・腐ったにおい → 清掃などを行いましょう。
- 門・塀・屋外の階段の傾きや破損、擁壁のひび割れ → 補修や防錆処理などを依頼しましょう。
- 立木の幹の腐り・大枝の折れ、道へはみ出した枝 → 立木の伐採、枝の剪定などを行いましょう。
- 動物が棲みついた跡・におい・音、隣の家への入り込み → 駆除などを依頼しましょう。
冬の前と、擁壁がある家は、これを足します
チェックリストは、冬の間は「給水管の元栓の閉栓」を、擁壁がある家は「水抜き穴の清掃」を、定期的な管理に挙げています。
気になる所を見つけたら
傷みを見つけたら、自分で直そうとせず、まず写真を撮って、直す会社に見てもらいましょう。チェックリストの10の項目のうち7つで、見つけたときの管理方法が、補修などを人に依頼する形で書かれています。アスベストが出ているときは「アスベストの除去などを専門業者に相談しましょう」とあります。
どこに相談すればいいか分からないときは、空き家のある市の窓口に聞けます。大東市・門真市・四條畷市・寝屋川市・東大阪市の窓口は、5市の空き家、管理はどうする?にまとめています。
毎月の記録は、4つだけ残します
見に行った日のことを、次の4つだけ書いておくと、前の月と比べられます。
- 行った日と、その前の日に雨が降ったか(雨もりの跡を見つけたとき、いつの雨の跡かを考える手がかりになります)
- 窓を開けていた時間(次の作業の時間を考える手がかりになります)
- 撮った写真の場所(北側の外壁、台所の排水口のように)
- 気になった所と、それを誰に伝えたか
アキヤムスブが毎月お送りしている報告書も、行った日・写真・気になった所を、毎月同じ形で書いています。見本を空き家の管理のページに載せています。
通うのが続かなくなったら
チェックリストの終わりには、「点検や補修に自信がない、遠隔地にお住まいなどでご自身による管理が難しい場合は空き家管理業者や修繕業者などの利用を検討しましょう!」とあります。頼む先を比べるときに聞いておくことは、5市の空き家、管理はどうする?の「人に頼むときに確かめること」に載せています。
アキヤムスブでは、大東市・門真市・四條畷市・寝屋川市・東大阪市の空き家に月に1回うかがい、簡単な清掃・建物の状態確認・水まわりの確認・空気の入れ替えをして、写真つきの報告書をお送りしています。料金は月額4,950円(税込)で、1回の作業は1時間ほどです(空き家の管理代行について)。